AMEXをはじめ、法人名義のクレジットカードについて、検討した方は多いと思います。実際、私自身も、クレジットカードを取り込んでいるのですが、利用明細を会計ソフトに取り込めるのが非常に便利な一方、現金払いとクレジットカード払いの領収書の区別がつかなくなるなど、何となく、扱いにくいという印象を持っています。今回、インボイス制度や電子帳簿保存法との関係が気になったので、少しまとめてみました。
1)インボイス制度との関係について
ご承知の通り、2023年10月からのインボイス制度が開始されます。
インボイス制度では、3万円未満の際に一定事項を記載した帳簿のみ保存すれば仕入税額控除を受けられる規定がなくなり、3万円未満の決済分も含め、取引相手である店舗等からインボイス(又は簡易インボイス)の記載事項を満たす領収書等を受取、検索できる状態で保存する必要があります。WEB明細等、利用明細の保存だけでは消費税の仕入税額控除を適用することはできなくなります。
現状、クレジットカード明細をもとに記帳等行っている方もいらっしゃるかもしれませんが、引き続きクレジットカード明細をもとに記帳をする場合であっても、領収書等の受取、保存を確実に行っていただく必要があります。
実務的には、それぞれの会計ソフト毎に、証憑を管理するサービスがリリースされていますので、それを使うことになると思います。例えば、弥生会計であれば「スマート証憑管理」、マネーフォワードなら「マネーフォワード クラウドBox」、freeeであれば「ファイルボックス」、PCAであれば「PCA Hub eDOC」です。クレジットカードと領収書が別々に集まってくると大変なので、経費精算ツールを利用するところが増えてきそうな感じがします。
2)電子帳簿保存法について
クレジットカード会社から受け取る利用明細について、WEB上で閲覧等するWEB明細を利用するケースも多いと思います。業務用の法人クレジットカード等の場合、電子取引の取引情報としてWEB明細を受け取った場合には、電子取引により取引情報の授受がされたことになり、ダウンロードして検索要件等を満たす形で保存が必要になります。
また、請求書や領収書等をメール、PDF、その他の電子データとして受け取った場合には、電子データを検索できる形で保存する必要がありますので、その点もご留意ください。
電子帳簿保存法は、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引と大きく3つに分かれ、電子取引(電子的にやり取りした書類)については電子的に保存することが求められています。ただ、電子取引だけを電子的に保存するというのもやりづらいので、スキャナ保存(紙で受領した書類の電子化)についても、どんどん進んでいくのかなと思っています。
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