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クラウド会計・業務効率化支援

クラウド会計・業務効率化支援

「クラウド会計を導入すれば経理業務は効率化される」

このような言葉をよく耳にしますが、私たちの経験では、そう簡単ではありません。確かにクラウド会計の導入は、経理業務のデジタル化への重要なステップではありますが、それだけでは効率化されるわけではありません。それは、非効率さの根本的な原因が、アナログな作業や紙の書類にあるのではなく、業務プロセス自体にあるケースが多いからです。

例えば、経理部門が忙しい原因は、精算システムの問題ではなく、現金取引が多く、現金を数えることに時間をかけているからかもしれません。月次決算が遅れる理由は、会計ソフトの使い勝手の問題ではなく、請求書が届くのをいつまでも待っているからかもしれません。

当事務所では、長年の経理業務改善の実績から、業務改革なくしては、どんなに優れたシステムを導入しても、期待する効果は得られないことを学んできました。

以下に、私たちが提案する具体的な改善ステップをご紹介します。これらは上場を目指す会社が月次決算を翌月10日に締めようとする場合には当たり前に行われていることです。ですので、そんなことはすべてやっているよという企業の方も多いかもしれません。

ただ、一方で、必ずしも、多くの中堅中小企業がこういった効率化を進められているわけではないこともわかってきました。こういった上場企業の当たり前を中堅中小企業に導入することで、業務は効率化できます。

 効率化への具体的なステップ

  1. 現金取引の最小化
  • 経費精算を月1回の給与支給時に統一
  • 可能な限り現金取引を削減し、経費精算の一本化を実現
  • 小規模企業は、全ての支払いを経費精算化する選択も有効
  1. 明確な締め切り設定
  • 締め日を仮決めし、遅れる取引先を洗い出し
  • 請求書発送の早期化を要請(遅れる場合にはPDFのメール送信等電子化も含めて検討)
  • 締め日を少しづつ早めること
  • 請求書の締め日を明確化し、期限後の請求は翌月処理を徹底
  1. 会計処理方針の明確化
  • 重要項目(売上・売上原価・人件費)は発生主義で処理、その他の経費は現金主義を採用するなど基準を明確化
  • 処理方針の明確による業務の標準化を実現
  1. 売掛金管理の独立化
  • 売掛金管理がボトルネックとなっている場合には記帳業務と売掛金管理の分離
  • 会計ソフトから独立した売掛金管理システム/体制の構築
  1. 共有フォルダの利用及び作業分担表の作成
  • 共有フォルダを作成。経理業務にかかわる社員全員が月次決算のデータを同じフォルダに保存することの徹底
  • 月次決算、年次決算共に作業分担表を作成し、やるべき作業を見える化
  1. 給与計算のデジタル化
  • クラウド型給与計算システムの活用
  • 給与明細の電子化による印刷・配布コストの削減

導入効果と期待される成果

経理業務の効率化は、単なる業務時間の短縮にとどまりません。私たちの支援を受けたクライアント企業では、以下のような効果が現れています。

  • 業務効率化は月次決算の早期化とほぼ同義です。月次決算が早期化することで財務数字を経営に生かす環境が整うことになります。
  • 最も顕著な変化は、管理部門の残業時間の削減です。経験則として、月次決算の締め切りが早い企業ほど、残業時間が少なくなる傾向があります。残業時間の減少は経費の削減になるだけでなく、従業員満足度の向上にもつながります。
  • 月次決算早期化により、月次決算後の時間を記帳内容の確認、業務の効率化に使えるようになることから、精度の向上、業務の効率化がより加速するという効果が得られることが多いです。

効率化を実現するシステム導入のアプローチ

システム導入のアプローチは、企業の現状によって大きく異なります。ここでは、二つの代表的なケースについてご説明します。

すでに会計システムをお使いの場合

既存のシステムを置き換えるのはリスクが大きい、これは多くのお客様が抱える懸念です。私たちは、まず現行の運用方法の見直しからスタートすることをお勧めしています。例えば、あるお客様では、既存の会計システムはそのままに、まず経費精算の運用ルールを変更することから始めました。毎日発生していた現金での経費精算を月1回の給与支給日に統一するだけで、経理担当者の業務時間を週あたり5時間削減することができました。また、担当者は現金を数えるストレスから解放されたことを一番の利点として挙げていました。

このように、システムの改修を伴わない業務改善から着手することで経理担当者にメリットを感じてもらい、その効果を確認しながら段階的にシステムの改善を検討していく、これが最も確実なアプローチだと感じています。

これからシステムを導入する場合

新規にシステムを導入する場合、給与計算システムと会計システムの連携は重要なポイントとなります。私たちは、クラウド型の給与計算システムと会計システムの一体導入を推奨しています。その理由は、将来的な拡張性にもあります。給与計算、給与明細のクラウド化と一体として会計システムを考えることで、クラウドのメリットをより享受することができます。

 おわりに

経理業務、ベックオフィス業務の効率化は、単なるシステム導入ではなく、業務プロセス全体を見直す良い機会です。私どもでは、お客様の状況に応じた最適な改善提案と、導入後のサポートを通じて、業務効率化を実現します。最初は経理部門社員とぶつかることもありますが、結果がでると、皆さんからも提案いただけるようになってきます。そこまでくれば、後はその歩みを止めないようにするだけです。

まずは現状の課題をお聞かせください。私どもが培ってきた知見を活かし、伴走しながら進めさせていただきます。

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