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クラウドソフトで給与計算・年末調整! ~マネーフォワード編~

こんにちは、左右公認会計士事務所のSです。

今回は、マネーフォワードクラウド系の労務管理ソフトについてご紹介したいと思います。

 freeeとの違い

まず初めに、以前にご紹介したfreeeとの違いについてご紹介します。最も大きな違いとしては、freeeでは「freee人事労務」というプロダクトの中に、従業員管理、勤怠管理、給与・賞与計算、年末調整、社会保険手続きがまとまっているのに対し、マネーフォワードの場合は「クラウド給与」「クラウド勤怠」「クラウド年末調整」「クラウド社会保険」という形で、それぞれが別のプロダクトに分かれている、という点だと思います。freeeの方は、一つにまとまっている分、基礎データとなる従業員情報の更新等を行うと、給与・賞与計算はもちろん、必要な社会保険料手続きのアラートまで、シームレスに反映されるという便利さがあります。一方、マネーフォワードはプロダクトごとの連携は可能ですが、例えばクラウド給与で更新された従業員情報が、クラウド年末調整などの別のプロダクトに自動的に読み込まれるという機能はなく、都度連携ボタンを押す必要があったり、行う業務ごとに別のプロダクトにログインしたり、という手間はかかります。ただ、給与だけ、年末調整だけ等、導入したいプロダクトから利用を始めることができますし、それぞれが特化型のプロダクトの為、作りも比較的シンプルになっており、余計な情報や設定に振り回されることが少ないです。

 従業員登録

マネーフォワードの場合、従業員登録は「クラウド人事管理」(もしくは「クラウド給与」)を中心に行っていくことになります。というのも、「クラウド人事管理」「クラウド給与」からその他のプロダクトの方向へは従業員情報が連携できるものの、逆方向への連携機能は今のところ備わっていないためです。
特に「クラウド人事管理」は、従業員情報や組織の管理に特化したプロダクトとなっており、従業員に直接自身の情報を入力してもらう、情報収集フォームも備わっているため、freee同様、労務担当者がすべてを入力するという負担が軽減されます。なお、「クラウド給与」に従業員情報を入力し、それをベースとする場合は、管理者がすべての情報を入力する必要があります。従業員の人数がある程度多かったり、部署、部門等の組織体系が構築されていたりする(もしくは今後構築する予定がある)場合は、クラウド人事管理から導入するメリットはあると思います。逆に、そこまでの社員数はおらず、組織も複雑でなく、労務担当者だけでも管理できる規模であれば、クラウド給与で従業員情報を管理するのでも十分利用できます。

 給与・賞与計算

給与・賞与の計算は「クラウド給与」で行います。マネーフォワードの場合も、「クラウド人事管理」から連携したり、直接登録したりした従業員情報、またクラウド給与上で設定した給与情報に加え、「クラウド勤怠」をはじめとした勤怠管理システムを利用している場合は勤怠情報を取込み、それらの内容に従って給与や残業代が自動で計算されます。そのため、freeeと同様、設定内容が間違っていないか、前月から変更された事が無いかという事前チェックが、給与計算作業の大部分を占めることになります。連携や設定が完了すると、マネーフォワードの場合は「給与計算」のメニューを開いた段階で既に自動計算が終わっているので、とてもスピーディです。各人別に内容を確認し、問題なければ確認済のチェックを入れていき、最後に確定をして完了です。クラウド会計を利用している場合は、確定と同時に会計側に仕訳が作成されます。もし給与に修正があった場合、会計側で仕訳登録をする前であれば、再確定することで修正後の内容が仕訳に反映されるようになっています。
ところで、マネーフォワードも含めた多くのクラウド給与ソフトでは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、等級を選択するだけで保険料額が自動計算されますし、労働保険料も自動で料率が取り込まれ、同じく自動計算されます。またこれらは、毎年保険料率の改定がありますが、改定後の料率への切り替えも自動で行われます。料率改定は、個人的にはうっかり忘れやすい処理のひとつですし、協会けんぽの料率は都道府県によっても異なるので、全国に支店があるような場合、手動だと改定作業もそれなりに手間がかかります。クラウド給与ソフトでは、こうした作業を完全に手放すことができるので、心理的にも実作業的にも、負担はかなり軽減される実感があります。
なお、自動で反映されるのは料率改定のみです。標準報酬月額の随時改定、定時改定等については、手動もしくは「クラウド社会保険」との連携を行う等で、従業員の方の等級を変更する必要があるので注意してください。

 年末調整

年末調整業務は「クラウド年末調整」で行います。こちらは「クラウド給与」から従業員情報や支給した給与情報を連携することができます。またfreee同様、webで資料回収ができ、入力画面はアンケート形式で用意されているため、従来の申告書用紙を用いた年末調整作業と比較すると、従業員、経理担当者双方にとって負担軽減になると思います。源泉徴収票も、従業員用ページからダウンロード形式で配布することができます。
また、クラウド年調ソフトの場合、年末調整で計算した後の、還付額・追徴額を給与ソフトに連携することができるものが多く、もちろんマネーフォワードやfreeeでも対応しています。従業員別に給与計算に自動で反映されるので、従業員別の数字の間違いや、反映漏れを防ぐことができますし、何より、これまでは一人一人手打ちで入力していたところを連携ボタン一つで完了するので、とても楽です。

 その他の手続き

社会保険の書類作成等の手続きは「クラウド社会保険」で行います。こちらももちろん、「クラウド給与」から従業員情報や支給給与情報を連携でき、データが自動的に必要書類に反映されます。こうした書類等は、それほど扱う機会も多くないでしょうから、ゼロから作ろうと思うと『どの欄に何を書けばいいのか』と迷うことも多いと思いますが、連携情報を元に作成すれば、そうした負担を軽減しつつ、必要な帳票をスムーズに作成することが可能になります。
クラウド社会保険の場合、手続きは「従業員手続き」と「会社手続き」の2つに分けられます。従業員手続きとは、入社退に伴う社会保険資格の取得・喪失や、育児休業を取得した社員がいる場合の給付金支給申請などです。会社手続きの方には、毎年の算定基礎届や月額変更届、賞与の支払届等が含まれます。これらがそれぞれ、トップページに完了状況として大きく表示されるので、今必要な手続きがそもそもあるのか、どれくらいあるのか、という情報がすぐにわかります。手続きそのものをうっかり忘れてしまいそう、という心配に対してもアシストしてくれる機能です。
また、マネーフォワードでは他にも、「クラウド勤怠」、「クラウドマイナンバー」といったプロダクトも、労務管理機能として提供されています。マネーフォワードの場合、いずれかのプランを契約すると、今回紹介した労務管理機能のほか、会計や請求書など、ほぼすべてのプロダクトが、最低限画面を開いて利用することはできるようになる、という料金形態になっています。(プロダクトごとに、利用内容や人数が増える等に応じて、追加の従量課金は発生します。)もし既に何かしらのプランの契約をされている場合、もし気になるプロダクトがあれば、試しに一度開いてみて、使えそうなら本格的に導入、というのもアリだと思います。

当事務所では、マネーフォワードをはじめ、クラウド型システムの導入や運用支援も行っております。ご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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